「体幹を鍛える」と聞くと
腹筋運動を思い浮かべる人は多いかもしれません。
けれど体幹は腹部の表面だけではありません。
背中やお腹、骨盤まわりの筋肉などが、呼吸と協調しながら胴体を支えます。
立つ、歩く、棚に手を伸ばすといった動作でも、胴体は固めっぱなしではなく、必要に応じて安定したり動いたりしています。
呼吸を担う横隔膜は胸と腹部の境にある筋肉です。
息を吸うと横隔膜が下がり、吐くと戻ります。
呼吸を止めて身体を固めると、動作が続けにくくなることがあります。
重いものを持つ場面などでは体幹に力を入れることも大切ですが、日常動作では呼吸と動きを無理なく続ける調整も必要です。
体幹トレーニングは腰痛のある人の運動療法の一つとして研究されていますが、誰にも同じ運動が最適とは限りません。
また「体幹が弱いから腰痛」と一方向に決めつけることもできません。
息を止めずに立ち上がる
椅子に浅めに座り、足裏を床につけます。
息を吐きながら、反動を使わず立ち上がり、吸いながら座ります。
3回ほど試し、呼吸が止まっていないか感じてみましょう。
ふらつきや痛みがあれば中止してください。
体幹は、腹筋だけでなく全身の動きの中で育てられます。
自分の生活動作に合わせた練習を知るために、体験レッスンで一緒に確認できます。
たとえば荷物を持つときは、息を止めて腹部を固め続けるのではなく、持ち上げる前に息を整え、動作中も呼吸を続けられる重さから練習します。
運動後に強い痛みが残る場合は、回数や負荷を見直しましょう。
呼吸の仕方を細かく意識しすぎる必要はありません。
まずは、立つ・座る・腕を動かすときに自然に息が続いているかを目安にします。
生活の中で繰り返す動作そのものが、胴体の調整を練習する機会になります。
参考資料
- Smrcina Z, et al. 2022. A Systematic Review of the Effectiveness of Core Stability Exercises in Patients with Non-Specific Low Back Pain.
- Hodges PW, Gandevia SC. 2000. Changes in intra-abdominal pressure during postural and respiratory activation of the human diaphragm.
- WHO. 2020. Guidelines on physical activity and sedentary behaviour.
この記事は一般向けの情報です。運動中に痛み、めまい、しびれ、胸痛、強い息切れなどが出た場合は中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
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